アメリカの配車大手のウーバーが自動運転の試験中に起こした歩行者の死亡事故で、運輸当局は、緊急時の自動ブレーキシステムが作動せず、補助役のドライバーも携帯電話に気を取られていたことが原因とする調査結果を発表しました。


配車大手ウーバーは去年3月、アメリカ西部アリゾナ州で、自動運転の試験中に歩行者をはねる死亡事故を起こし、アメリカのNTSB=国家運輸安全委員会は、全米で初めての自動運転による死亡事故として原因を調査し、19日、その結果を発表しました。

それによりますと、試験車両には、緊急時に自動でブレーキがかかるシステムが備えられていましたが、事故時には作動せず、自動運転システムが衝突の5.6秒前に前方の歩行者を検知していたにもかかわらず、歩行者とは認識していなかったということです。

また試験では、緊急時に備えて補助役のドライバーが運転席に座っていましたが、携帯電話に気を取られて前を見ていなかったとしています。

このため運輸当局では、公道で自動運転の走行試験を実施する企業に対し、改めて安全対策を取りまとめて提出し、定期的に内容を点検するよう求めていて、企業側は対応を迫られることになります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191120/k10012184221000.html