https://www.asahi.com/articles/ASMCV43SWMCVUHBI015.html


利用された細胞 無断採取で医学に貢献、遺族に還元ゼロ
香取啓介2019年12月1日18時00分


 人工的に培養され、無限に増え続ける「不死細胞」ががん治療や製薬などの研究に用いられている。元をたどれば、米国で半世紀以上前に亡くなった女性から採取された細胞だ。現在も世界各地で重宝されているが、価値観や技術の変化に伴う課題もある。


 米首都ワシントンから車で4時間のバージニア州クローバー。舗装道から外れ、雑木林に向かうタイヤのわだちをたどると、視界が開けた。そこには20ほどの墓石が並んでいた。
 「ヘンリエッタ・ラックス(HeLa)、ここに眠る。彼女の不死の細胞は永遠に人類を助け続けることでしょう」
 本をかたどった真新しい墓石には、こう書かれていた。

■埋葬、墓石すらなく
(リンク先に続きあり)