>>196
高裁判決から当然推認されることではないが、理由はおそらく以下の通り。

釜谷地区には、鉄筋コンクリート造りの建物が大川小と小さな病院しかなかった。
いずれも、予測された、最大3mの高さの浸水(満潮時)の際の避難場所とするには不適当。
病院は面積自体足りないだろうし、大川小には屋上がない。

すると、校長が言っていた通り、「裏山」ということになるが、地震の際なのだから地滑りが危惧される。
さらに、教頭の区長に対する「山に上がらせてくれ」という
まるで許可を得るような発言を見ると、裏山は、釜谷地区の入会山か個人所有の山なのだろう。

おそらく、市町村は、当該地区民が当該地区内に避難できる場所を指定し、それは私有ではなく公的に管理できる場所でなければならないという発想に囚われた。
すると、釜谷地区には避難に適当な場所がないことになる。しかし、新たに避難場所を建設するか大川小を改築するには費用がかかる。

おそらく、このような理由によって、石巻市は、釜谷地区と隣り合わせの下流や上流が津波で浸水するとしながら、釜谷地区を外してしまったのだろう。