0001しじみ ◆fbtBqopam767 しじみ ★
2019/12/05(木) 15:08:45.97ID:gJ28Q12M935年前にドイツで発見され、よくわからないまま分類されていた翼竜が、最新研究で新たな名を授かった。
学術誌「Historical Biology」に11月18日付けで発表された論文によると、黒っぽい骨をもつその翼竜は、ターガリエンドラコ・ウィーデンロティ(Targaryendraco wiedenrothi)と命名された。人気テレビドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」に登場する架空の一族、ターガリエン家にちなんだ名前だ。
研究チームはさらに、近縁と考えられる6種類の翼竜を、ターガリエンドラコに近いグループとして分類しなおした。この系統のメンバーは、翼開長が3〜8メートルあり、口が際立って細く、その先端から歯が前に向かって突き出ていた。
このグループの翼竜が発見された場所は、イングランド、米国、ブラジル、オーストラリアと、広範囲にわたっている。「いずれの種も、浅い沿岸環境で見つかりました。おそらく魚を食べていたのでしょう。顎が極端に細いことが、共通する大きな特徴です」と、ブラジル、ABC連邦大学の古生物学者で、研究を率いたロドリゴ・ペガス氏は話す。
今回のような分類の見直しは、翼竜の理解が近年大きく進んだことを示している。新しい化石の発見と、すでに博物館にある化石を分析・比較する新たな取り組みが功を奏したと、ブラジル、エスピリト・サント連邦大学の翼竜専門家タイッサ・ロドリゲス氏は話す。ロドリゲス氏は今回の研究には関わっていない。
「空飛ぶ爬虫類である翼竜は、白亜紀の数千万年にわたって生きていました。ターガリエンドラコの命名は、その中の見過ごされていた系統を見出したものです」とロドリゲス氏。
■よくわからない種を放り込む「ごみ箱分類群」
1億3000万年前、ターガリエンドラコは恐竜と同時代の空を舞っていた。化石が発見されたドイツの地方は、当時、温かく浅い海が広がる海岸線だった。
見つかった化石は、肋骨と翼の一部、そして顎だった。少ないと思うかもしれないが、ドイツで発見された同時代の翼竜が極めて断片的なのに比べれば、この標本はよく見つかっている方だ。これらの骨から、ターガリエンドラコが細長い口吻と鋭い歯をもっていたことが判明。海面近くから魚にさっと食いつくのにうってつけの形だった。
「翼は長くて幅が狭く、飛びながら魚を捕らえる現生の鳥やコウモリに特有の形です」とペガス氏。
アマチュアの化石ハンター、クルト・ヴィーデンロート氏がこの化石骨を見つけたのは1984年。場所はドイツ北部、ハノーバーに近い粘土採掘場だった。化石周囲の鉱物の変化により、黒っぽい色をしていた。ヴィーデンロート氏は1990年、シュツットガルトにある自然史博物館に標本を寄付。ここで化石を分析した結果、翼竜のグループであるオルニトケイルスの新種とされ、オルニトケイルス・ウィーデンロティ(Ornithocheirus wiedenrothi)と名付けられた。
ところが、新たな翼竜が次々と発見され、科学者たちの理解も進んでくると、オルニトケイルスと分類されていた種の一部は近縁ではなく、むしろ別の種類の翼竜であることがはっきりしてきた。
古生物学では、よくわかっていない種がグループとして名付けられることがある。これらがいわゆる「ごみ箱分類群」となり、新たに発掘された断片だけの種や、綿密に調べられていない種がここに投げ入れられることがあると、英サウサンプトン大学に所属する古生物学者のダレン・ナイシュ氏は説明する。同氏は今回の研究チームには加わっていない。
「世界各地からの異なる発見を、同じグループに属すると推測し、同じ名前を当てはめ続けてきました」とナイシュ氏。「翼竜では、オルニトケイルスが最もいい例です」
だがペガス氏とブラジル国立博物館、スペインのカタルーニャ古生物学研究所の共著者は今回の翼竜を再調査し、ターガリエンドラコ・ウィーデンロティとして記載しなおした。本当にオルニトケイルス属なら、顎にもっと丸みがあるからだ。
「翼竜の専門家の間では、この種は本当はオルニトケイルスに含まれないのではないかと、何十年も考えられていました」とナイシュ氏は話す。
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