https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53027720V01C19A2EA2000/

アラムコIPO、史上最大2.7兆円 原油安影響
2019年12月5日 23:31

【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは4日、新規株式公開(IPO)の受け付けを締め切った。調達額は256億ドル(約2兆7900億円)と史上最大になる見通しだ。だが株式時価総額は当初想定を下回り、肝心の海外上場のメドも立たない。気候変動などを背景に「石油の時代の終わり」が近づいている現実が映る。

ロイター通信は5日、公開価格は32リヤル(約930円)と仮価格の上限に設定されると報じた。IPOによる調達額としては2014年の中国アリババ集団(250億ドル)を上回り、時価総額も1兆7000億ドルと米アップル(約1兆1000億ドル)を抜いて世界最大となる見込みだ。サウジ政府は国内個人投資家への優遇策や近隣国ファンドの支援をあおぐなどIPOの成功へ政策を総動員していた。

だが企業価値を「2兆ドル以上」と主張していた実力者ムハンマド皇太子のもくろみとは異なる結果となる。もともとはニューヨークなど海外の市場を中心に発行済み株式の5%を公開する計画だったが、海外投資家からは「過大評価」との見方が浮上していた。度重なる延期の末、規模を縮小して1.5%を国内のみで公開した。
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