「熱烈中華食堂 日高屋」を主戦場とするハイデイ日高が業績悪化に苦しんでいる。

2019年3〜8月期は、売上高が前年同期比とほとんど変化なく約211億円、営業利益は11%減の22.8億円まで落ち込んだ。既存店売上高は12ヵ月連続で前年同月比割れだ。

いったい日高屋で何が起きているのか。

そもそも日高屋はどうやってここまで成功したのだろうか。日高屋は、各種のラーメン、中華そば、タンメンといった、「小麦メニュー」を売ってナンボという手法で業績を向上させてきた。それに加えてセットメニューでの「ガッツリ系」を求める顧客を取り込んで、成功してきたと考えられる。たまにガッツリ食べたい顧客を引きつけるため、「コスパ第一主義」をとってきた。

しかし、こうした「ガッツリ系」の成功には、避けがたいリスクが伴う。朝昼晩毎日毎日、日高屋のラーメンセットを食べていると、昭和のヒット曲『およげ! たいやきくん』ではないが、「嫌になっちゃうよ」となりかねない――つまり顧客を飽きさせてしまいがちなことが大きな課題なのだ。裏を返せば、いかにリピート率を引き上げるかが、腕の見せ所となってきた。

そこに黄色信号が灯ってしまったというわけだ。
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■「日高屋飲み」の力

では、どのような手法で挽回できるのか。

現状、日高屋の稼ぎの「主軸」は基本的にランチだろう。それを念頭に置けば、これまでにない顧客を拾う方法として「朝食」も考えられる。実際ほかの外食大手では「朝マック」「朝吉野家」といった売り出し方によって、従前とは違う顧客を獲得してきた。しかし、「朝日高屋」は、一考の余地はあるものの個人的な感覚で言えば少し難しそうに思える。

同様に、ランチではない時間帯=夜の顧客を捕まえることは日高屋にとって重要な課題であり続けてきた。これまでの成功は、ランチに加えて夜飲み客を獲得できたおかげ…という側面はある。

ちょい悪おやじならぬ「ちょい飲み親父」、さらにはこれまではあまりターゲットにならなかった「仕事帰りの働く女性」を客として取り込めるかがその成否の重要な部分を決定してきた。マックにあって、吉野家、日高屋ができないものは「喫茶」のサービスだが、逆に、日高屋に優位性があるのは「アルコール」だったからだ。

■「働き方改革」の影響

しかし、「夜客」「ちょい飲み親父」「ちょい飲み女性」を捕まえられるかどうかは、働く世代が立ち寄りやすいメニュー構成になっているかといった「外食産業側」の問題というより、「外部環境」の影響を受けやすい。現在、外食産業に打撃を与えているのは、一等地で働く大企業の「働き方」改革である。

シンクタンクの調査によれば、働き方改革で残業代が数兆から10兆円単位で減る試算となっている。つまり、サラリーマンたちの懐事情は苦しくなり、外食の余裕はなくなる。

もちろん、働き方改革で帰宅時間も前倒しになる。「消費喚起に効果がない」と言われて久しい「プレミアムフライデー」は、ほとんどの人が早い時間に帰宅できていないと思うが、たとえ帰れたとしても多くは直帰。当初の予定の夜の消費需要を喚起できていない。そりゃ、ない袖はふれない。

さらに言えば、アルコール産業自体が、外食の中でもっとも衰退していく分野でもある。また、夜を稼ぐという分野は伸びしろが極めて限定的である。短期的には、日高屋にとって難所が続く可能性は高い。
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■大手の外食は立地がすべて

とはいえ、より大局的な視点から見れば、外食チェーンの場合、そうした厳しい環境下でも「V字回復」というケースもしばしば見受けられる。業績悪化とV字回復を交互に繰り返しているのがマクドナルドや吉野家であり、日高屋も同様の回復できる素地をもっている。

それは、外食・小売りといった産業は、「立地」がすべてだからだ。駅前好立地を押さえられている限り、一発ヒット商品で集客できるし、減益しても赤字になりにくい。

経営の3要素は「ひと・もの・かね」だが、外食産業は「ひと」がすべてである。金は出店すれば借りられる。ものは、ひとがいれば作れる。ひとを集める腕も駅前好立地は競争優位性がある。
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■アベノミクスの影響

さらに視点を引いて見ると、今、外食産業を苦境にしている最大の要因は良くも悪くもアベノミクスだ。

以下ソース先で

12/7(土) 13:31
現代ビジネス
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191207-00068990-gendaibiz-bus_all&;p=1
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20191207-00068990-gendaibiz-000-view.jpg