住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。
憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 
今回は「小竹向原」(東京都練馬区)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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都内には池尻大橋、白金高輪、清澄白河、若松河田、落合南長崎など、2つの地名を合わせた駅が多数ありますが、小竹向原もその1つ。
「こたけむかいはら」と読みます。はっきり言って、話題になることはほとんどない街ですが、実はかなりのお勧めタウン。
その理由をこれから解説します。

鉄道は東京メトロの有楽町線と副都心線、さらに西武鉄道の西武有楽町線が乗り入れており、池袋、新宿(新宿三丁目)、渋谷の都内三大繁華街へ1本。
飯田橋、永田町、有楽町など、オフィス街へも乗り換え無しで向かえます。急行列車も停まり、池袋まで4分、新宿三丁目まで10分、渋谷まで16分。
副都心線経由で自由が丘や横浜へも1本ですし、都心と逆方向に向かう列車は西武池袋線や東武東上線に繋がっているので、郊外に出かけるのも便利です。

道路状況も良好です。駅の西側には環七(環状七号線)が通っており、山手通りへも渋滞なく数分で移動が可能。首都高速にもすぐに乗ることができます。
一方、駅付近は都道がトンネルになっており、騒音から逃れられるのも魅力の1つ。
トンネルの上は学校や緑道になっており、車を持つ人にも持たない人にも優しい環境と言えるでしょう。

距離や時間を考えれば、家賃の安さは破格

この街の最大の魅力は、とにかくコストパフォーマンスが良いことです。
池袋、新宿、渋谷に電車1本で遊びに行け、赤坂、銀座、有楽町などへのアクセスも良好。
それでいて家賃相場はワンルーム・1K・1DKで6.69万円(ライフルホームズ調べ。11月28日時点)と、“お手頃”です。

この家賃相場と同レベルなのは、JR中央線なら東小金井か武蔵小金井、東急東横線なら元住吉か日吉、東急田園都市線なら梶が谷か宮崎台、
小田急線なら喜多見ですから、都心までの距離と時間を考えれば、小竹向原の家賃相場の安さは一目瞭然。
池袋まで約3kmですから、いざという時にはタクシーに乗るのもそれほど躊躇しないで済みそうです。

もちろん、人によっては気になるところもあるかもしれません。
地下ホームから地上に上がっても、駅前の喧騒や商店街といったものが存在しないので、初めて駅を降りた方は驚かれることでしょう。
特に西側の出入り口は、正真正銘の住宅街の中にあり、一戸建ての家が立ち並ぶ場所にいきなり放り出されます。
飲食店も選択肢は豊富ではありません。ただ、スーパーは数軒あるので、生活を営むのに問題はありません。
100円ショップやドラッグストアもあります。

これらを総合すると、「色々な繁華街で遊びたい」「けど遠いのはイヤ、乗り換えも面倒だからイヤ」
「家賃が高いのもイヤ」というようなワガママな人にピッタリなのが、この街。
都心に出てきたばかりの一人暮らしには最高ですが、駅付近の環境が非常に落ち着いているので、ファミリーにも向いています。
“何もない駅”と言ってしまえばそれまでですが、諸々の条件の良さを考えれば、完全に“アリ”の街だと思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191207-00000002-moneypost-bus_all
12/7(土) 13:00配信

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