大分大経済学部長に10月に就任した高見博之教授が11月下旬、匿名の文書で学部長の選考過程を批判されたのを受け、全学部生約1200人に「実名で主張を」などと書いたメールを送っていたことが分かった。高見教授は「無関係の学生にまでメールを送り、混乱や心配を招き申し訳ない」と話している。

 高見教授によると、11月25日に教授宛てに「学生有志一同」と名乗る文書が届いた。「学長は意見も聞かず任命し、民主主義のルールを破った」「学部長を辞任して混乱を収拾し、信頼を取り戻してください」などと書かれていたという。

 高見教授は翌26日、大学の一斉送信システムを使い、「手続きにのっとり適正に学部長に就任した」「自主的、主体的に実名で主張を展開していただくよう『学者』『教育者』として付言させていただく」という趣旨のメールを全学部生に送信した。同学部教授会はこれを問題視。高見教授は12月3日に学生向け説明会を開き、謝罪した。説明会に出席した学生は約10人だったという。

 高見教授は「周りの意見やうわさ話に流されず、自分自身で考えて行動してほしいという趣旨だった」と弁明している。

 経済学部長を巡っては8月、教授会が事前選挙で別の候補者を選出していたが、任命権を持つ北野正剛学長が高見教授を選出し、教授会が反発。大学側は事前選挙の正当性を調べる調査・検証委員会を設置。職員OBらでつくる団体は大学側に選考の再協議を申し入れている。(岩谷瞬)

2019/12/10 6:00 西日本新聞
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