「インド側から現地情勢に関する報告を受け、両国政府で協議の上、延期することとしました」

 政府は13日、15日から17日にかけて行われる予定だった安倍首相のインド訪問を延期すると発表した。現地の治安情勢の悪化が表向きの理由だが、永田町では「他の理由があるのでは」とささやかれている。

 安倍首相は16日にインド北東部グワハティでモディ首相と会談する予定だったが、現地では移民に関する法改正に抗議する住民と治安部隊が衝突。死者が出る騒ぎになっていて、外出禁止令まで発令されているという。

 情勢が厳しいとはいえ、直前に訪問を取りやめるのは異例だ。

「外交儀礼上、治安悪化を理由に訪問を取りやめるのは相手国に失礼だと受け取られかねません。訪問先の警備が信用できないと言っているに等しいですからね」(政界関係者)

■スパイスの効いた料理が退陣のトドメに

 安倍政権にとってインドは、海洋進出を活発化させている中国の影響力を封じ込めるための重要なパートナーのはず。安倍本人が外遊好きであることに加え、インドとはほぼ毎年、互いに訪問を繰り返す仲だけに、ドタキャンの裏に「別の理由があるのでは」と勘繰られているのだ。永田町でウワサされている一説が、インドに対する「トラウマ」である。

 第1次政権の時、安倍首相は2007年7月の参院選で惨敗。わずか2カ月後、体調不良を理由に政権を放り投げている。

「安倍首相は当時、辞任直前にインドを訪問しています。消えた年金問題などで内閣支持率が3割台に落ち込んでいる最中のことです。訪問直後に辞任に追い込まれたインドは、安倍首相にとって縁起の悪い地なのです。現在も、内閣支持率は前月比7・9ポイント減の40・6%と急落しています。“安倍1強”が盤石の時なら気にしないのでしょうが、政権にほころびが出ているだけに、支持率急落とインド訪問が苦い記憶と重なっていてもおかしくありません」(永田町関係者)

 さらに、訪印延期の理由として、もうひとつささやかれているのが「体調悪化」だ。

「安倍首相の持病は難病指定されている潰瘍性大腸炎です。07年の訪印直後に体調が悪化したのは、インドの香辛料の効いた料理が原因ではないかといわれています。『桜を見る会』が国会で取り上げられてから体調を悪化させ、これ以上、症状を悪化させないために訪印を取りやめたとしても不思議ではありません」(前出の永田町関係者)

 ドタキャンの裏に何があったのか。

19/12/14 14:50 日刊ゲンダイ
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