22時間前

 法廷では被告以外の全ての人が、激しい怒りに駆り立てられた――。新潟市で昨年5月、小2の女児(当時7歳)を殺害した小林遼(はるか)被告(25)の裁判員裁判で、新潟地裁は12月4日、無期懲役の判決を下した。
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 司法記者が振り返る。

「スーツ姿の小林は特に表情を変えることもなく、淡々と判決を聞いて退廷していきました。むしろ説諭する裁判長が泣いていた。『反省は伝わってこない』『女児には土下座してほしい』などと詰まりながら語り、裁判員たちも被告をにらみつけているようでした」

 小林は下校中の女児に車をぶつけて車内に連れ込み、わいせつ行為をした上で殺害。JRの線路内に遺棄して電車に轢かせた――などとして、殺人や強制わいせつ致死罪などで起訴された。

 小林は公判で「首を絞めたのは静かにしてもらうため」などとして殺意を否認。事件の詳細を問われても「ほとんど覚えていない」などとかわしてみせた。裁判長もこうした態度に「最低限の償いは真実を述べることだ」と異例の問いかけを行ったという。

 法廷でさらに明らかになったのは、小林の幼い女の子に対する性的な執着心だ。被告側は、女児の首を絞めた理由として、「ネットで知り合った未成年とセックスした際に求められたことがあった」などと説明。女児を殺害した後はなお性欲が収まらずローションを購入、お湯で温めるなどして死後の女児を凌辱した。

携帯では「女体博物館」「線路 飛び込み」などのワードで検索し、その数日後にもネットで知り合った女児に「セックスしよう」と持ち掛けていたという。

女児の母親は「この男が娘を触ったかと思うと……」

 検察官は「悪逆非道」と強く非難して死刑を求刑。だが、被害者が1人で、計画性が認められなかったことなどから、過去の判例を基に無期懲役の判決が下った。判決後、裁判員らは「個人的には遺族と同じ気持ち」「基準を見直していかなければならないのでは」と苦悩を率直に語った。

 小林の母親は法廷で「死んでお詫びするしかないと思った」と取り乱し、女児の母親も被告を前に「この男が娘を触ったかと思うと頭がおかしくなりそうだ」と怒りに声を震わせた。

「終わってみれば小林が感情を見せたのは最終陳述のときくらいでした。『罪を償う』と涙声で頭を下げていましたが、説諭の通り、心からの反省とは伝わりませんでした」(前出・記者)
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