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トランプ大統領 弾劾訴追討論続く 米議会下院午前中にも可決か
2019年12月19日 5時00分トランプ大統領

ウクライナ疑惑をめぐり、アメリカ議会下院はトランプ大統領を弾劾訴追する決議案について、本会議を開いて審議しています。下院では野党・民主党が過半数を占めるため、決議案は日本時間の19日午前中にも賛成多数で可決され、トランプ大統領は弾劾訴追される見通しです。

アメリカ議会下院は現地時間の18日午前9時、日本時間の18日夜11時、本会議を開会し、トランプ大統領を弾劾訴追する決議案の審議を始めました。

決議案は一般の刑事事件の起訴状にあたり、トランプ大統領がみずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、疑惑をめぐる議会の調査を妨害した「議会妨害」の2つを柱に大統領の罷免を求めています。

与党・共和党は開会直後に審議の打ち切りを求める動議を提出するなど、民主党が主導する弾劾手続きに激しく抵抗しましたが、前日の委員会で決められた審議の進め方が賛成多数で承認されました。

これを受け、与野党の議員による討論が始まり冒頭で民主党のペロシ下院議長は「トランプ大統領は憲法に違反した。アメリカの安全保障にとって今も脅威であることは紛れもない事実だ」と述べ、大統領を罷免すべきだと強調しました。

一方、共和党のコリンズ議員は「トランプ大統領は何も悪いことはしていない」と大統領の潔白を主張し、現在も与野党の議員が決議案について賛否の意見を述べています。

トランプ大統領と共和党としては底堅い支持を背景に、全米にテレビ中継される本会議で疑惑を徹底して否定するとともに民主党が政治的な思惑で動いていると批判して、来年の大統領選挙への影響を最小限に抑えたい考えと見られます。

討論は18日夜、日本時間の19日午前中にも終わり、その後の採決で決議案が賛成多数で可決され、トランプ大統領は弾劾訴追される見通しです。

弾劾訴追されれば、1860年代のジョンソン大統領、1990年代のクリントン大統領に続いてアメリカ史上3人目で、年明けにも議会上院で弾劾裁判が始まります。