2019年12月22日 11時32分

 2019年12月18日に判決が下った総理ベッタリ記者・山口敬之元TBSワシントン支局長(53)とジャーナリスト・伊藤詩織さん(30)との名誉棄損訴訟で、山口記者に330万円の支払いが命じられた。詩織さんが検察審査会に審査を申し出て、顔を出して実名で会見をしたのが2017年5月29日。それ以前に山口記者はある社の顧問として、家賃・月200万円の金満レジデンスで生活し、菅官房長官の口添えで別の社の顧問も務めてきたという。(17年6月15日号&19年7月18日号掲載記事を編集のうえ再掲載)

 東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急である。日枝神社の小高い杜は星の眺めが美しいことから「星ヶ岡」と呼ばれてきた。北大路魯山人主宰の「星岡茶寮」があったのもここだ。ホテルと銘打ってはいるが、このなかに「ザ・キャピトルレジデンス東急」と呼ばれる賃貸フロアがあり、山口記者はここで生活してきたという。彼は周囲に「親戚が持っている部屋を使わせてもらっている」と説明していた。

 金丸信元自民党幹事長のパレロワイヤル永田町、竹下登元首相のTBRビルや、十全ビルヂングなど、国会の庭先に事務所を構えるのは大物政治家のステータスとされてきた。もっとも時は流れ、2013年に小沢一郎・自由党代表が赤坂の事務所を閉じるなど、そのトレンドが変化したのだろうか、今や総理ベッタリ記者がここで暮らす時代になっているのだ。

 ザ・キャピトルホテル東急は地下1階から地上3階がレストランなどの施設で4〜13階がオフィス、客室が18〜29階となっていて、その間の15〜17階が賃貸住宅にあたる。コンセプトは「ナチュラルな上質感」で、都心のプライベートな隠れ家であるとホテルは謳っている。16階には二十四節気の草花が楽しめる空中庭園が設えられており、それを眺め、首相官邸を睥睨するようにして入浴することができる。パンフレットには、「住まう人の審美眼に応える、高感性な住空間」「スパ&プールがすぐ下にある幸せ」などと、歯の浮くようなポエム、いや惹句が並んでいる。専有面積は82平方メートル〜300平方メートル弱まで、月額賃料にして68万〜240万円。戸数が14と極めて少ないから、「審査はとても厳しい」とホテル関係者が打ち明けるのもむべなるかな。この中で山口記者は、上から数えて2番目の月200万円の部屋で生活してきた。部屋の間取りなどは追い追い紹介する。

 山口記者は事件が報じられる直前の17年4月の1カ月だけで4局8番組、延べ47回のテレビ出演をこなしており、その売れっ子ぶりは認めるが、テレビ局員によると、「文化人枠ですからギャラは5万円程度でしょう」

 と、所詮は電波芸者。バブルが続くはずもなかっただろうから、カネの出所を詮索する声があがっていた。実際は、

「齊藤さんがスポンサーだったんですよ」

 と明かすのは、永田町関係者。齊藤さんとは、2010年に半導体開発会社「ペジーコンピューティング」を創業した齊藤元章氏のこと。同社製のスパコン「菖蒲」は世界のスパコン省エネランキングで3期連続1位を獲得したこともある。未上場だが、関連会社を含め、その企業価値は1000億円とも……。というよりはむしろ、17年12月5日、東京地検特捜部に助成金詐欺容疑で逮捕された「齊藤さん」と言った方が通りは良いだろうか。齊藤社長の関連会社には、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」から約40億円の助成金、「科学技術振興機構(JST)」から60億円弱の無利子融資が注ぎ込まれている。いずれも国立の研究開発法人だ。

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