台風19号で多摩川沿いの東京都世田谷区などの住宅が広範囲で浸水した問題を巡り、同区は21日、台風への対応に関する住民説明会を開き、約430人が出席した。区が管理する水門「等々力排水樋門(ひもん)」(同区玉堤)が閉められなかったことについて、「交通規制で車両が通れず(職員の現場到着を)断念した」と説明し、理解を求めた。

 この問題では、大田区は、同樋門が閉められなかった結果、多摩川の水が逆流し、土地の低い大田区側に流入したと説明している。世田谷区や都は内水氾濫など複合的な要因があるとの見方を示している。

 世田谷区の説明によると、区管理の水門6か所のうち5か所は、10月12日午後8時頃までに閉めた。等々力排水樋門にも区職員が向かったが、交通規制で車両が通れず、強風や道路の冠水もあり、現場にたどり着けなかったという。

 対策として同区は、水門を所有する国や都に、より安全な場所で操作できるようにすることを求めている。また水門閉鎖後も排水できるように、大型ポンプ車の購入を検討していることも明らかにした。詳細な浸水原因は検証委員会で調べる。

 同区内で床上・床下浸水などの被害を受けた住宅については再調査が進められ、これまでに全壊1件、半壊319件、一部損壊241件となった。

12/22(日) 17:31配信
読売新聞
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