香港のインバウンド市場(訪香港)は、抗議デモの悪化で影響を受けているが、香港でインターナショナルトラベルEXPOを主催するTKSエキシビション・サービスによると、2019年7月から9月の3ヶ月間の香港市民の出国者数は前年比で1.7%増となっている。

特に、7月は同2.3%増。8月は微減(0.1%減)となったものの、9月は同3%増に回復した。この3ヶ月の間、海外旅行の出国にも変化が表れており、空港からの出国者数は同0.8%減となった一方で、クルーズターミナルからは同0.5%増となった。

米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」によると、富裕層向け旅行会社「Quintessentially Travel」の幹部は、「抗議デモは引き続き行われており、香港の5つ星ホテルの値段が下落しているため、香港での滞在バケーションを楽しむ人も増えているかもしれない。しかし、わが社のビジネスは好調だ。特に日本への渡航がかなり増えている」と明かす。

また、Diethelm Travel Hong Kongのマネージング・ディレクターも、「香港の海外旅行ホールセラーの多くは、香港人に人気の高い日本と台湾を注視している。また、クルーズ旅行もさらに人気を高めている」と話す。日本旅行ではLCCの需要が高まっているようだ。

TKSによると、香港の人口は約740万人だが、その消費総額は265億米ドルと高い。香港の海外旅行者一人あたりの消費額は3580米ドルで、オーストラリアの1500米ドル、イギリス1150米ドル、ドイツ1140米ドルなどよりもはるかに高い。

抗議デモが激化する中でも、TKSは今年7月半ばに例年通りEXPOを開催した。2日間の業界日には1万1613社が参加。前年と比べて、海外からは11%、中国から26%増えた。2日間の一般日には7万3665人が来場。出展者の87%が海外からで日本からも80ブースが出展した。

12/23(月) 13:20配信
トラベルボイス
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