https://www.bbc.com/japanese/50888696

ウクライナへの米軍事援助、トランプ氏の電話直後にホワイトハウスが停止指示
2019年12月23日

ドナルド・トランプ米大統領がウクライナの大統領に個人的利益のため政敵への捜査を働きかけ、軍事援助の凍結を取引材料にしたとされる問題で、7月25日の電話会談の91分後に、ホワイトハウス幹部が国防幹部に軍事援助の凍結について連絡していたことが明らかになった。非営利の米調査団体「The Center for Public Integrity(CPI)」による情報開示請求の結果、ホワイトハウスからのメールの内容が公表された。

野党・民主党が多数の下院は、トランプ氏はウクライナへの働きかけを「権力乱用」と認定したほか、これについての議会調査を大統領が妨害したのは「議会妨害」だとして、トランプ氏を弾劾訴追している。

トランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の7月25日の電話会談について、CPIは情報公開法に基づきメールの開示を請求し、ワシントンの連邦地裁が20日にこれを政府に命じた。このため、ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)と国防総省が、一部を黒塗りした計146ページのメールをCPIに提示した。

メールではOMBの国家安全保障部門担当、マイク・ダフィー氏が電話会談の91分後に、国防総省に対して、ウクライナへの軍事援助を政府として再検討することにしたため、援助執行を「保留」するよう求めている。
「この申し出はデリケートな内容のため、情報共有は命令執行に必要な最低限の人に限定していただけるとありがたい」と、ダフィー氏は書いている。

7月の電話について下院が弾劾調査を開始した後、ホワイトハウスが公表した通話記録によると、トランプ氏はゼレンスキー氏に対して、来年の米大統領選で民主党候補となるかもしれないジョー・バイデン前副大統領とその息子について、汚職関連で捜査するよう促している。

CPIは開示されたメールについての記事で、1974年議会予算法に言及し、「ウクライナ支援のように、連邦議会がいちど予算措置を成立させ、大統領が関連の支出法案に署名したものについては、行政府はその予算は執行しなくてはならないと定めている。大統領は、議会の指示がどれほど不都合もしくは魅力的でないものだったとしても、議会の指示をただ無視することはできない。予算の執行が差し控えられたり、他の使途に変更される場合、秘密裏に行ってはならず、議会の承認が必要」だと説明している。

「ミスリーディングだ」とOMB
(リンク先に続きあり)