国土交通省は26日、飛行検査を担当する同省所属の操縦士と整備士から、乗務前の飲酒検査でアルコールが検出されたと発表した。民間航空会社で操縦士の飲酒が問題視されるなか、監督する立場の国交省で操縦士のアルコール検出が発覚したのは初めて。

 国交省によると、2人はいずれも航空局飛行検査センターに所属する40代男性。那覇空港を23日午前7時に離陸する検査用小型機で、空港の無線施設の電波が正しく受信できるか確認する予定だった。ところが同日午前6時ごろの飲酒検査で、操縦士から呼気1リットルあたり0・27ミリグラム、整備士から同0・17ミリグラムのアルコールが検出され、乗務は中止となった。

 2人は20〜23日の予定で那覇に出張しており、22日午後4時から7時半にかけて、那覇市内の飲食店で操縦士はビールや泡盛など計6杯、整備士は計4杯を飲んでいたという。

 国交省は飛行検査業務の運航規定で、出発前10時間以内の飲酒と乗務前の飲酒検査で少しでもアルコールが検出された場合の乗務をそれぞれ禁止していた。同省は「事実関係を確認の上、厳正に対処する。詳細を調査し、再発防止に取り組む」としている。(渡辺洋介)

2019年12月26日18時26分  朝日新聞
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