大阪市の湾岸エリアに位置する大正区は、全域が川と運河に囲まれた島になっており、鉄道の駅は1つしかない交通の不便な街だ。

そんな特異な環境を逆手にとって、水辺を生かした街づくりが始まった。川に面したカフェやライブスペースを備える複合施設「TUGBOAT TAISHO」(タグボート大正、同区三軒家西)が来年1月18日に開業する。
4月にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)への定期船が就航し、夏には日本初の「川に浮かぶホテル」がオープン予定だ。

■渡船が日常の足

大正区では約9・4平方キロの島に6万人超が暮らすが、区外とを結ぶ道路は川を渡る9本の橋しかない。あまりに不便なため明治時代から続く大阪市営の渡船が今も運航され、区外とを結ぶ7航路、区内の2航路が日常の足になっている。

区の南側は工場・倉庫地帯、北側では団地と戸建て住宅が混在し、住民向けのショッピング施設もあるが、にぎわいは乏しい。

そこで、尻無(しりなし)川に面した区の北端の土地約3850平方メートルで、今年2月からタグボート大正が建設されている。若者が集う飲食店や体験型施設などを一体整備し、にぎわいを創出する取り組みだ。

■万博会場へ船で送迎

来年1月にオープンするフードエリアには、水上のピザ専門店をはじめ、クラフトビール店、ライブイベントが開かれるバーなど16店が入居。若手アーティストが演奏できるライブスペースも備える。

4月1日には、USJまで30分以内で移動できる定期船が就航する。ほかに、ボードの上に立ちパドルでこいで進むSUP(スタンダップパドルボート)の体験サービス、大正区のものづくり職人らと交流できるワークショップなども春に開業する。

夏にオープンするホテルは、川に浮かぶ台船に2階建て12室を建設する。

建設地はJR大正駅と京セラドーム(大阪市西区)の中間に位置し、ドームでのイベント開催時には大勢の客が通過する。タグボート大正がオープンすれば、大正区内に滞在してもらうきっかけになりそうだ。

また船着き場からは、2025(令和7)年の大阪・関西万博の会場となる大阪湾の人工島・夢洲への送迎も計画されている。

■新しいカルチャー

事業を手がけるリタウン(大阪市)の広報担当者は、「まずは地元の方々に愛される施設を目指す」としつつ、「大正区には新しいカルチャーを作ろうとする感度の高い若者たちが集まってきている。彼らと一緒に街を盛り上げたい」と狙いを語る。

今回の再開発は川に沿った幅10メートルほどの細長い敷地で行われているが、台船に飲食店の一部やホテルを展開することで、にぎわいを水上まで広げることが特徴だ。
河川区域の商業利用は平成23年に規制緩和され、大正区が事業者を募集していた。増水に備えて水位監視などの安全対策をとり、避難場所も確保する。

総工費は5億5千万〜6億円。国土交通省の民間都市再整備事業計画に認定され、補助金が交付されている。年間の集客は75万人、売り上げは初年度で10億円を目指す。

https://news.livedoor.com/article/detail/17589121/
2019年12月27日 16時27分 産経新聞

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