オリオン座の一等星ベテルギウスの明るさが観測史上類を見ないほど低下しており、超新星の兆候であると指摘されています。

Will Betelgeuse explode soon? Star may go supernova soon | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-7821517/Massive-star-Betelgeuse-1-400-times-larger-sun-dimming-soon-supernova.html

Betelgeuse star acting like it's about to explode, even if the odds say it isn't - CNET
https://www.cnet.com/news/betelgeuse-star-acting-like-its-about-to-explode-even-if-the-odds-say-it-isnt/

アメリカ・ペンシルベニア州のビラノバ大学の天体観測チームが2019年12月に、「2019年10月以来、オリオン座の恒星ベテルギウスの明るさは半分になっており、観測史上最低を記録しました」と発表しました。

オーストラリア戦略政策研究所で上級アナリストを務めるマルコム・デイビス氏は、「ベテルギウスが暗くなっていることは、近い内に超新星が起きることを示しています。正確なことは分かりませんが、もし爆発すれば満月のように明るく輝くことでしょう」とTwitterに投稿しました。

アマチュア天文家でプラネタリウムオペレーターのデイブ・イーグル氏は、ベテルギウスが爆発する際の様子について、「ベテルギウスが最も明るくなる際には、まるで満月のように明るくなりますが、月とは違ってベテルギウスは小さな点なので、オリオン座がかなり奇妙に見えることになります」と述べています。

また、超新星が地球に及ぼす影響について、「超新星により発生したガンマ線バーストにより地球の大気がイオン化され、大規模な森林火災が引き起こされたことが、人類が二足歩行するきっかけとなったのではないか」との研究結果などもあることから、過去にはベテルギウスの超新星が人類に大きな影響を与える可能性も危惧されていました。

とはいえ、多くの専門家はベテルギウスの超新星が地球に重大な影響を及ぼす可能性はほとんどないと指摘しています。オンライン掲示板のRedditでAndromeda321として活動している天文学者のYvette Cendes氏は、「ベテルギウスの超新星は長ければ10万年後か、少なくとも数万年後だと思われます」と投稿。


イーグル氏も「率直にいうと、ベテルギウスの寿命が尽きるのがいつか予測することはできません。明日か、5万年後か、10万年後か分かりませんが、私たちの生涯のうちに発生する確率は非常に小さいことでしょう」と指摘しています。また、前述の超新星が引き起こした人類の進化について論じた物理学者のエイドリアン・メロット氏も、「地球から200パーセク(約600光年)ほど離れているベテルギウスが、重大な結果を引き起こすことはありません」と述べて、仮にベテルギウスがすぐに爆発しても遠すぎて影響は小さいとの見方を示しました。

それでも、200パーセクと、宇宙規模で見ればかなり近い位置にあるベテルギウスの超新星は、貴重な天文現象であることは間違いありません。イギリスのUppingham Schoolで物理学部長を務めるDavid Boyce氏はTwitterで、「何が起きるとしても、見る価値はあります。私たちが住む銀河内で超新星が起きるのは、一生に一度の光景です。きっと子どもたちにはいい思い出になることでしょう」と話しました。

https://i.gzn.jp/img/2019/12/26/betelgeuse-supernova-full-moon/00.jpg
https://gigazine.net/news/20191226-betelgeuse-supernova-full-moon/