https://r.nikkei.com/article/DGXMZO54043090U0A100C2MM8000
中東の米施設が報復対象 イラン、イスラエル都市も

【ドバイ=岐部秀光】米軍がイラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のソレイマニ司令官をイラクで殺害したことを受け、イランは報復措置の検討に入った。イランのメディアは4日、革命防衛隊幹部のアブハムゼ氏が中東地域にある35の米関連施設や対立するイスラエルの都市テルアビブ、ホルムズ海峡を航行する船舶などが攻撃目標の候補になると述べたと報じた。

イランのラバンチ国連大使は4日、米CNNのインタビューで「軍事行動には軍事行動で対応する。司令官の暗殺はイランへの宣戦布告に等しい」と述べた。

イラク国営テレビは4日、米軍による親イラン民兵組織への新たな空爆が実施されたと報じた。5人が死亡したとの情報もある。米政府は事実関係を確認していない。イラクの首都バグダッドでは4日、数千人が行進してソレイマニ氏の死を悼んだ。

トランプ米政権は米兵3000人前後を中東地域に追加派遣する検討に入った。クウェートなどに駐留する見通しで、イランによる報復攻撃に備える狙いとみられる。

トランプ米大統領は3日、「戦争を招く行動はとっていない」とイランとの戦争を望まない立場を強調したが、両国の対立は挑発の応酬に陥る危険が強まっている。

2020年1月4日 22:09 日経