被災の伝承 備えに生かす 国土地理院、災害石碑類をデジタル地図に
2020/1/8 13:12 (2020/1/8 13:14 更新)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/574050/


 集中豪雨や台風直撃など自然災害に明け暮れた昨年の日本列島。冷静に過去を振り返れば、その土地ごとに、地震や津波、土砂崩れや河川氾濫など自然の猛威にさらされてきた記憶が刻まれている。それらを風化させず、教訓として今に生かし、後生に伝えていく取り組みが求められている。

 国土地理院は昨年から、津波や地震、豪雨など過去の自然災害の記録を刻んだ各地の石碑や供養塔の所在地が一目で分かるよう、インターネット上の地理院地図に「自然災害伝承碑」の地図記号を示し、写真や説明文と併せて公開する取り組みを進めている。

 近年、豪雨などによる災害が相次ぐ中、過去に同様の災害に遭ったことを伝える石碑などが建立されている地域でも、地元の住民にあまり知られていないケースがあり、教訓の普及と将来の被害軽減につなげてもらうのが目的だ。

 全国の自治体から地元の石碑や供養塔に関する情報を寄せてもらい、地理院がウェブの地図上にアップしている。昨年12月5日時点で44都道府県の127市区町村にある392基が掲載されている。当面、月に1度のペースで内容を更新していく予定という。

 地理院は「地元の防災地図を作るといった学校の授業や街歩きイベントなどに利用してもらい、過去からの貴重なメッセージとして生かしてほしい」と呼びかけている。地域にある伝承碑の追加掲載を希望する人は、自分の住む市町村に、地理院宛てに掲載申請してもらうよう働き掛けてほしいという。

 地図を見る場合は「国土地理院 自然災害伝承碑」でネット検索を。


 ※以下省略

 

国土地理院 自然災害伝承碑
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi_operation.html