国土交通省は10日、2019年の訪日外国人客数が18年と比べて2.2%増の3188万人だったと発表した。8年連続で増えたが、伸び幅は12年以降で最小だった。日韓関係の冷え込みを背景とした韓国客の激減や、相次いだ自然災害が影響した。政府は20年に訪日客を4千万人に増やす目標を掲げているが、達成は不透明になってきた。 10日の閣議後の記者会見で赤羽一嘉国交相が明らかにした。19年は微増だったが、7年連続で過去最高を更新した。訪日客数は13年に1千万人を超えた。その後、6年で3倍に増えたが、足元は伸びが鈍っている。18年半ばまでは前年同月比で継続的に2桁の伸び率を記録していた。18年は西日本豪雨(6〜7月)や北海道地震(9月)の後は、1桁台の伸び率にとどまっている。

19年夏からは日本政府による対韓輸出管理の厳格化が影響し、訪日韓国人が大きく減った。7月に7.6%減となってからはマイナスが続き、8〜11月は5割から6割強と大きく落ち込んだ。韓国人は訪日客の約4分の1を占めていたが、同国の客足減が全体の鈍い伸びにつながっている。

ただ、それ以外の国や地域は好調を維持している。中国からの訪日客は19年11月までの時点で約888万人と過去最高となり、前年同期と比べて14%増えている。東南アジアや欧米諸国も堅調で、韓国の客足が回復してくれば全体の伸びも持ち直す可能性がある。

国交省は10日に全体の訪日客数を公表し、国・地域別の動向を17日に発表する。

2020/1/10 11:39
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54249780Q0A110C2MM0000/