岐阜乗合自動車(岐阜バス、岐阜市)が市内で運行する路線バスで6日、運転手が終点で車内点検を怠り、寝過ごした小学生を乗せたまま回送のため発車していたことが、同社などへの取材で分かった。運転手は途中で小学生に気づいたが、付近のバス停で1人で降ろし、別のバスに乗って引き返すよう促していた。

 関係者によると、小学生が降車させられたのは、本来降りるはずだったバス停から数キロ離れた場所。小学生は次のバスまで時間があると考え、自宅まで歩いて帰ったという。同社は小学生と保護者に謝罪した。

 同社によると、運転手は6日午後1時20分ごろ、終点で車内の確認をしないまま無人と思い込み、営業所へ回送運転を始めた。小学生は運転席のすぐ後ろの席で寝ており、運転手は小学生が途中で目を覚ますまで気づかなかった。

 社の規定は、運転手は終点で車内を後部まで見回り、残った乗客がいないか確認するよう求めている。同社の担当者は「会社として反省している。改めて全社に文書や口頭で指導した」と話した。

 報告を受けた中部運輸局の担当者は、運転手が回送中に小学生を1人で降車させたことについて「営業所まで乗せた上で対応するなど、1人にしないことが望ましい」と指摘した。運輸局は同社から詳しい事情を聴く。

2020年1月11日 08時03分
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020011190080356.html