台湾総統選は11日投開票された。
再選を目指した与党・民進党の蔡英文総統(63)は、800万票を超える総統選での過去最多得票を記録し、再選を果たした。

焦点となった対中国関係をめぐり強硬な姿勢で臨んだ蔡氏に絶大な支持が集まり、対中融和路線の最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長(62)に圧勝した。
同時に行われた立法院(国会、定例113)選でも民進党は過半数を確保した。

蔡氏は同日夜の記者会見で、「過去4年の政策とその方向性が評価された結果だ」と勝利宣言。
その上で、中国が打ち出す「一国二制度」による中台統一を改めて拒絶するとともに、台湾への武力行使を断念するよう中国共産党・政府に呼び掛けた。

1996年に初の台湾総統選が行われて以降の最多得票は、2008年に馬英九氏が獲得した765万票。
中央選挙委員会の確定値によると、蔡氏は817万票を獲得し、韓氏は552万票だった。

韓氏は敗北を宣言した。
国民党の呉敦義主席は、敗北の責任を取って辞任すると表明した。
投票率は74.9%で前回の66%を上回った。

台湾総統選は、反政府抗議デモで混乱する香港情勢を背景に、対中関係をめぐり有権者がどう判断を下すかが最大の争点となった。
蔡、韓両氏による事実上の一騎打ちとなる中、蔡氏が選挙戦を終始リードした。

蔡氏は選挙戦で、「台湾の主権と民主主義を守ろう」と繰り返し訴えた。
香港問題や米中貿易摩擦といった国際情勢が追い風になり、中国への警戒感を強めた若者を中心とした有権者の支持を広げた。

一方の韓氏は、民進党批判を強め局面打開を試みた。
対中政策では「中国と関係を改善すれば、台湾は安全になり、みんな金持ちになれる」と訴えたが、香港情勢を受け「親中派」イメージが不利に働き、若者の支持低迷に苦しんだ。

総統選には野党・親民党の宋楚瑜主席(77)も出馬。
無党派層の受け皿を狙ったが、蔡、韓両氏に注目が集まる選挙戦に埋もれた。

立法院選は、中央選挙委の集計によると、民進党は61議席(現有68)と減らしたものの、過半数を確保した。
国民党は38議席(同35)。柯文哲・台北市長が昨年立ち上げた新党「台湾民衆党」は比例代表で5議席を獲得した。 

写真:11日、台湾総統選に勝利し、台北でガッツポーズを決める蔡英文総統(EPA時事)
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