地方創生政策で地方への移住促進が叫ばれる中で、若い女性の「東京志向」はますます強くなっている。


今回GLMの調査により、東京都への人口流入状況が「女性が男性を大幅に上回っている」ことが判明した。女性が東京に集まる理由とは何か?

なぜ、女性は「東京」に集まるのか?
東京都への転入超過数は2009〜2012年は一旦落ち込んだが、その後急激に増加している。


男女別に見ると、1997年以降の男女の転入超過数はほぼ同数だったが、2009年以降は女性が男性を大幅に上回るようになった。

また、東京都への転入・転出超過数を年齢階層別にみると、15〜29歳の年齢階層が大きく転入超過となっている。これは進学・就職を機に東京都に流入したことが想定できる。



20〜24歳の年齢階層に着目すると、この年齢階層の女性を中心に転入が年々増加し、転入超過数も女性(30,667人)が男性(25,216人)を大きく上回っている。



この結果から、20〜24歳の女性の転入が、東京都への転入超過数増加の重要なポイントとなっているといえるだろう。

そして上京経験のある男女を対象にGLM独自に意識調査を実施。これによると、東京都に上京した理由・上京するにあたって重視したことは、学生時代に上京した者も含まれるため、「東京に進学したい大学や専門学校があったから」(39.8%)が最も高く、「東京で働きたかったから」(25.2%)、「異動や家族の都合」(20.6%)と続いている。



男女別でみると、女性は男性と比較して「新しい生活を始めたいと思ったから」、「地元や親元を離れたかったから」、「都会に憧れがあったから」、「交通の便が良いから」、「趣味をより楽しみたかったから」が特に高い結果となった。

都市政策の専門家 市川 宏雄 所長による分析
東京圏(1都3県)への流入は止まることなく、昨年には流入と流出の差がとうとう13万5,600人となった。東京都の流入超過数も8万2,700人である。

その中で目立つのが政令指定都市からの20〜24歳の女性の転入である。その理由は「東京に憧れがあった」、「親元や地元を離れたかったから」など、東京での新しい生活に魅力を感じていることで、そこには男性より明確な意志が存在している。

彼女たちに好まれるのが、世田谷、大田、杉並という西南地区の伝統的な住宅地だ。この3区は今後も人気が衰えることはないと言える。さらにコスト的にお得な練馬、板橋がこれに続く。交通利便性、買い物、治安と、お値段との相談で決めているのである。今後は品川、足立が注目である。

1/12(日) 17:32配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200112-00010005-dime-soci