江戸時代から続く新年を祝う伝統行事「ホーランエンヤ」(大分県選択無形民俗文化財)が12日、豊後高田市の桂川であった。大漁旗を立てた宝来船などから計900キロの餅まきなどがあり、約7000人の観客でにぎわった。

 江戸時代の豊後高田は島原藩(長崎)の飛び地の領地で、年貢米を運ぶ船の安全と豊漁を祈って始まったのが「ホーランエンヤ」とされる。この日、花火を合図に出発した船は「ホーランエンヤ、エンヤサノサッサ」の掛け声と共に琴平宮まで下った後、約1キロ上流の若宮八幡神社を目指した。

 船が左右の岸辺に近づいて用意された餅をまくと、観客は喜んでキャッチしたり拾い上げたりしていた。川岸から酒やご祝儀袋が差し出されると、締め込み姿の男衆が船から水温8度の桂川に飛び込み、泳いで受け取りに。ザブーンという音と共に水しぶきが上がると歓声と大きな拍手が送られた。

 酒を手に船を待っていた尾形公二さん(64)は「『長く続けていただきたい』との思いからご祝儀を出すようになって30年になる。これがあると新年が来た感じがする」と話した。

‪毎日新聞 ‬2020年1月13日 09時16分
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