相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(29)の裁判員裁判の第3回公判が15日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であり、同被告の幼なじみで園の同僚が、事件前に被告から「(入所者は)要らなくないか」と言われたとする内容の調書が読み上げられた。

 この同僚は12年夏ごろ、飲み会で園の仕事が楽しいと話したところ、植松被告は興味を持ち、その後職員となった。仕事の悩みや不満を聞くことはなかったが、16年1〜2月に突然、LINE(ライン)で「重複障害者は要らない」との考えについて意見を問われた。「その人なりの幸せがある」と返すと「貴重なご意見ありがとう」と返信があった。

 同年4月ごろ、措置入院から退院した植松被告と再会した際も、被告は共感を求めるように「実際、利用者要らなくね?」「豚とか牛殺して食うでしょ。重度の障害者も会話できなければ動物と一緒じゃん。金かけるの無駄じゃね?」と真顔で話した。危険を感じ、上司ら2人に相談。防犯カメラだけでは効果がないと伝えたが、事件を防げなかったと無念さを明かした。

 青沼裁判長は15日の審理で、氏名などの秘匿決定をしている「甲A」=当時(19)=の呼称を、遺族の希望を踏まえ「美帆さん」に変更。公判では、美帆さんを含む犠牲者らの遺族の調書も読まれ、美帆さんの母は「大事に育て、美帆が苦しい思いをしないよう心掛けてきた。許すことは絶対にできない」と訴えた。 

1/15(水) 18:43配信
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