自衛隊員も民間の会社員と同じようにそれぞれが保険料を払って生命保険に入っていますが、
一般の生命保険は紛争地帯では保険金の給付が免責となっています。
だから、隊員が普段保険料を払っている一般の生命保険では補償はもらえません。
これでは派遣される隊員もそのご家族も不安です。

平成4年に自衛隊が国際協力をするためのPKO協力法(「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」)が
成立しました。それと同時期に、平和維持活動のために派遣される隊員を対象につくられた
「紛争地帯でも保険金が支払われる掛け捨て保険」がPKO保険です。

 このPKO保険はこれまで「隊員が『自腹』で任意にかける」保険でした。
 PKO保険は補償内容により10段階に区分されており、
最低補償部分は「障害死亡・後遺障害1000万円、疾病死亡1000万円、治療費用500万円、救援者費用500万円」です。
それにかかる月額保険料は3210円です。

防衛省共済組合が助成する保険の区分を引き上げ(月額保険料(6800円))の枠まで広げました。
この助成引き上げにより、これまでの派遣隊員の加入実績からすれば、
ほとんどの隊員は希望する保険に実質自己負担ゼロで加入できるようになりました。

 しかし、ただ1点気になることがあります。そもそも防衛共済は
「自衛官から集める掛け金」で運用されているものです。共済年金は事業主(国)の負担金等も入っていますが、
自衛隊の給料から天引きされている掛け金が原資です。
つまり、この改正で実質的に隊員個人の自腹負担はなくなりましたが、
結局は広く薄く全自衛官から徴収されている掛け金で保険料を支払うかたちになっています。

隊員の相互扶助となる共済で保険料を支払うのではなく、
やはり国が全額PKO保険料金を持つべきではないかなぁと思います

2020年01月18日
https://nikkan-spa.jp/1638273/2