野生のニホンザルに餌づけをしている大分市の高崎山自然動物園で、餌を与える寄せ場に現れるサルの群れに異変が起きている。

 一部のサルが群れから分派し、新しいグループを形成。半世紀以上ぶりに本格的な新しい群れの誕生となるか、注目が集まっている。

 同園の寄せ場には現在、B群とC群の二つの群れが出現している。市観光課によると、新たな分派を作ったのはC群にいたサルと、高崎山周辺のほかの群れのサルだ。昨年11月に実施した調査では202頭が確認された。この群れにはリーダー格のサルがいることも確認されている。

 最初に分派が確認されたのは昨年6月。山をパトロールしていた高崎山管理公社の職員が、C群の生息地域で別のサルの集団を発見した。その後の調査で、その中にC群のサルがいたことや、C群が寄せ場に来るのと同じ時間帯に山中にいることが確認された。分派したと判断したが、中にはC群本体との間を行き来しているサルもいるという。

 分派した群れのサルが集団で寄せ場に現れたことは確認されていない。高崎山では、寄せ場に降りてくる集団を群れとして名前を付ける。現段階では認めていないが、リーダー格のサルが集団を率いて寄せ場に訪れるようになれば、新しい群れとして認める方針だ。

 分派の理由は分かっていないが、最初に確認された直前の昨年5月には、C群が寄せ場に姿を見せない時期が続いたことがあった。

 現在寄せ場を訪れるB群とC群も、過去に寄せ場に姿を見せていたA群から分かれて誕生した。B群は1959年8月、A群の中で寄せ場のエサを食べられずにいた集団が「独立」。C群は1964年3月、ほかの山から移ってきた力の強いオスザルに、一部のメスザルがついていったことで生まれたとされる。

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