長引く森林火災で、多くの人間や動物が犠牲になっているオーストラリア。

南部にあるカンガルー島で、まるで仲間の死を悲しんでいるかのように、胸に顔をうずめて座り込む一頭のコアラの姿が撮影された。すぐそばには、小さなコアラの亡骸が横たわっている。

【画像】仲間の死を悲しむように、胸に顔をうずめるコアラ
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カンガルー島は、多様な生物たちが暮らす生き物の楽園だ。その生物多様性から「オーストラリアのガラパゴス」とも呼ばれることもある。

しかし森林火災は、そのカンガルー島の約半分を焼きつくし、多くの動物たちの命をのみ込んだ。

オーストラリアのABCニュースによると、島には火災の前に約6万頭のコアラが生息していたが、約半数の3万頭が死んだと推測されている。

胸に顔をうずめていたコアラは、写真が撮影された後に、動物保護団体「ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)」の危機対応チームによって保護された。

コアラだけではなく、カンガルーやウォンバットなど多くの多くの動物たちが犠牲になっている。

「信じられないようなことですが、動物の死体を見つけることなく10メートル歩くこともできません」とHSIのメンバーの一人はABCニュースに語る。

キツネやウサギなど、島の外から動物が入って来なかったカンガルー島には、テリクロオウムなど、島の固有種も生息している。そういった、すでに絶滅危惧種である島固有の動物たちが、今回の森林火災でさらなる絶滅の危機にさらされている。

また、命が助かった動物たちも、水や食料がない状態で飢えや脱水症状に苦しんでいる。

HSIのエリカ・マーティンCEOは、生き残ったコアラやカンガルー、ウォンバット、コウモリたちのために水や食料を運んでいると伝える。

HSI危機対応チームのケリー・ドナサン氏は、動物レスキューとして活動してきて、これまで見たことのないようなつらい場面をいくつか目にしてきたとライフスタイルメディア「One Green Planet」に語った。

「真っ黒に焼け焦げた動物の死体など、アニマルレスキューとして働いてきて、これまで見たことのないようなつらい光景もありました」

「それでも、救助活動に出るたびに、私たちは生き残った動物を見つけることができるのです。怪我をした動物たちやショックで呆然とする動物たち、そしてトラウマを受けた動物たちを救うことができるのです」

「ひどい火傷をおったカンガルーや、脱水症状で水を求めてあえぐコアラを、私たちは見てきました。多くの死に直面する中で、生きている動物を見つけられることを、奇跡のように感じています」

野生生物の保護や自然の回復のため、オーストラリア政府は5000万ドルを投じると発表している。

1/18(土) 15:04
ハフポスト日本版
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