【NQNニューヨーク=岩本貴子】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落した。前日比170ドル36セント(0.6%)安の2万8989ドル73セントで終えた。新型肺炎に関連し、米疾病対策センター(CDC)が24日、米国で2人目の感染者が見つかったと発表した。米国内の感染拡大を警戒した売りが優勢だった。


中国で感染が広がり、同国景気への影響が懸念された。中国関連銘柄とされる化学のダウや建機のキャタピラーを中心に売られ、ダウ平均の下げ幅は一時300ドルを超えた。


中国では拡散を防ぐため、観光施設の閉鎖やイベントの自粛が広がっている。観光業への影響が懸念され、アメリカン航空など空運株、マカオでカジノを展開するウイン・リゾーツやホテル株の下げも目立った。


債券市場では相対的に安全資産とされる米国債が買われ、長期金利が低下した。利ざやの縮小を懸念して、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど銀行株が売られたのもダウ平均の重荷になった。


ダウ平均は下げ渋る場面もあった。航空機のボーイングが一段高となった。墜落事故を受けて運航停止中の小型機「737MAX」について「米当局は年央より前に運航再開を認める可能性がある」と伝わった。前日夕に発表した2019年10〜12月期決算が市場予想を上回った半導体のインテルは8%上げ、ダウ平均を支えた。


ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比87.566ポイント(0.9%)安の9314.912で終えた。SNS(交流サイト)のフェイスブックやソフトウエアのマイクロソフトといった主力株が下げた。

2020/1/25 6:25
https://www.nikkei.com/article/DGXLASB7IAA05_V20C20A1000000/