「北京も含め、武漢以外の新型肺炎における感染状況はどうなのかという質問状を衛生当局宛に送った。しかし10日以上が経過するが、回答は一切ない。それどころか、担当者が電話にも出てこない状況がずっと続いていた中で『怪しいな』と思っていたらこうなった」

 26日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』に出演したテレビ朝日の中国総局長である千々岩森生記者が、新型肺炎をめぐる中国当局の一連の対応における実情を訴えた。

 ここ数日間で感染者数が爆発的に増えたことについても「それまで感染が少なかったわけではない。それには二つの理由があり、感染者が居たのに言わなかった。さらに感染者が居たのにしっかり調べていなかったので分からなかった。つまり、結果的に総数が増えてきただけの話」と説明した。

 「今、出ている死者や感染者数の数字に信憑性はあるのか」という質問に対しては「今、逆に自治体などが情報を隠していたら大変なことになる。分かっている数を出しているはずだが、未だ病院に行っていない人もいれば、検査を受けられていない人もいる。感染者数は2000人と言われているが、これ以外に感染の疑いがある人が既に2700人ほどいる。今の2000人というのは数千人規模に上っていくだろう」と答えた。

 また千々岩記者は「地下鉄やホテルの入り口では、昨日(25日)あたりから防護服に身を包んだ検査官が体温チェックをしている。私も朝、ピッとやられたが、測っているのは体温だけ。潜伏期間などもあり発熱が無ければわからない」と対応の遅れに加え、対応が十分でないことも指摘した。

 最後に千々岩記者は「最初の発表から3週間、当局の会見は何もない。日本であれば政権が潰れるような世界だ。しかしこの国は、全てが当局によってコントロールされている。メディアのチェック、日本でいう野党のチェックは利かないので、当局の取組にどこまで実効性があるのかは不明だ」と話した。

2020.01.27 17:25
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