イギリスは31日、47年間にわたって加盟してきたEU=ヨーロッパ連合から離脱します。2016年の国民投票以来、イギリスでは、離脱の条件などを巡る激しい議論によって政治や社会が混乱しましたが、離脱が実現することで大きな転換点を迎えることになります。

イギリスでは、2016年に行われた国民投票の結果、EUから離脱することが決まりましたが、離脱の条件やそもそも本当に離脱するのかなどを巡って激しい議論となり当初、去年3月に予定されていた離脱は3回にわたって延期されました。

しかし、去年12月に行われた総選挙で離脱の実現を主張するジョンソン首相率いる与党・保守党が圧勝したことで、混乱が続いてきた議会の審議はスムーズに進み、離脱関連の法案が今月可決されたことで離脱に必要な手続きは終わりました。

この結果、イギリスは前身であるEC=ヨーロッパ共同体を含めると、47年間にわたって加盟してきたEUから31日午後11時、日本時間の1日午前8時に離脱します。

ヨーロッパでは、1985年にデンマーク領のグリーンランドがECから離脱したことがありますが、加盟国の離脱は初めてで、発足以来、拡大を続けてきたEUにとっても正念場となります。

イギリスでは、離脱に伴う急激な変化を避けるため、ことし12月末までは「移行期間」として、これまでどおりEUのルールが適用され、EU各国との貿易も行われることになっています。

イギリス政府は、移行期間中にEUとの間で自由貿易協定の締結をめざしていて、ジョンソン首相は、期間内の締結に自信をみせています。ただ、1年未満では困難だという懸念の声も根強く、今後の交渉の行方が注目されます。

2020年1月31日 4時37分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200131/k10012266561000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_008