13世紀にモンゴル帝国を建国したチンギス・ハーンらが活躍した時代の出土品を紹介する「モンゴル展」が、宇佐市高森の県立歴史博物館で開かれている。モンゴル国内の遺跡や鎌倉時代の「元寇げんこう」の発掘資料が来館者の目を引いている。3月8日まで。




 モンゴル帝国の首都・カラコルム建都800年、宇佐市が東京五輪・パラリンピックでモンゴルのホストタウンに登録されていることなどをきっかけに企画。展示替えをしながら約150点を公開する。

 干支えとの漢字やアラビア文字をあしらったコイン、女性の帽子に取り付ける金の飾り、透明な水晶をつないだ男性用ベルト――。会場にはユーラシア大陸の大半を支配した遊牧民の国際性や栄華を感じさせる品々が並ぶ。

 元寇関連では、教科書でおなじみの「蒙古襲来絵詞えことば」の江戸時代の模本を展示。長崎県松浦市の海底遺跡「鷹島神崎遺跡」(国史跡)で発見され、絵詞にも描かれている球状のさく裂弾「てつはう」もある。

 企画展は、博物館の学芸員石川優生ゆうきさん(34)が出土品の保存処理技術をモンゴルの研究者に指導する事業に参加している縁で、モンゴル国立カラコルム博物館などが協力。石川さんは「モンゴル帝国と言えば、日本では元寇の印象が強い。高い技術や豊かな文化を示す出土品を見て、イメージが変わるとうれしい」と話している。

 午前9時〜午後5時。月曜休館(24日開館、25日休館)。一般310円、高校・大学生160円(中学生以下無料、高校生は土曜無料)。3月7日午後1時半からは石川さんによる展示解説が行われる。問い合わせは博物館

2020/02/02 05:00
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