総務省が1月31日公表した外国人を含む2019年の人口移動報告によると、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は転入者が転出者を14万8783人上回る「転入超過」だった。前年より8915人多く、増加は3年連続。一極集中が加速している。都道府県別では39道府県が人口流出に当たる「転出超過」となり、地方移住などを後押しする政府の地方創生は奏功していない。福井県は3336人の転出超過となった。転出者の増加率は6・9%と全国で最大だった。

 東京圏への転入者は54万140人で、転出者は39万1357人。転入超過は1996年から24年連続。14年以降は外国人も含めている。15〜29歳の流入が多く、総務省の担当者は「高水準の教育や、好待遇の求人を求める若者が吸い寄せられている」と分析した。

 三大都市圏でも東京圏以外は人口が流出した。転出超過数は名古屋圏(岐阜、愛知、三重)が1万5017人で、大阪圏(京都、大阪、兵庫、奈良)は4097人。

 転出超過の39道府県のうち、人数の最多は広島の8018人。茨城の7495人、長崎の7309人が続いた。交通利便性の低い条件不利地域を抱えていたり、基幹産業が不振だったりするのが人口流出の要因。愛知は14年以降では初めて転出超過となった。

 福井県への転入者は18年比97人減の9779人、転出者は852人増の1万3115人。福井県未来戦略課は転出者増の要因を「東京一極集中の傾向が変わらない上、万博開催が決まってインフラ建設や人手の需要が高まる大阪への転出が増えた。地理的に関西に近いことの影響が出た」と分析している。

 転入超過は東京圏の4都県と大阪、滋賀、福岡、沖縄の8都府県。東京の8万2982人がトップで、神奈川の2万9609人、埼玉の2万6654人など。

 全1719市町村(東京23区は合算して1市とみなし集計)のうち、転出超過は73・8%に当たる1269。前年より29増えた。

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2020年2月3日 午後5時10分
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