https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55370370X00C20A2CE0000/
 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告(30)の
裁判員裁判第12回公判が7日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれた。

被告を精神鑑定した大沢達哉医師は、大麻使用障害や大麻中毒、人格障害である「パーソナリティー障害」を認定した一方で
「犯行に影響がなかったか、影響を与えないほど小さかった」と述べた。

鑑定は起訴後の18年に実施。大沢医師はまず被告の人格について
「社交的であるが自己顕示的で、称賛を求める気持ちが強い。ストレス耐性が低く、衝動性の強さから行動の統制が困難だ」と指摘。
そのうえで
「被告は障害者の存在について疑問を呈し、園での勤務を経て『殺す』と発言するようになった。飛躍があるが、病的なものではない。被告の強い考えとして理解可能だ」と説明した。

争点は事件当時の刑事責任能力の有無や程度。弁護側は「大麻精神病により、心神喪失か心神耗弱だった」と無罪を主張。
検察側は「正常心理の範囲内で、病的な妄想ではなく、単なる特異な考え方」として完全責任能力があったとの立場だ。

起訴状によると、16年7月26日未明、入所者の男女を刃物で突き刺すなどして19人を殺害、24人に重軽傷を負わせたとされる。
また職員2人を結束バンドで廊下の手すりに縛り付け、負傷させたとしている。