ニールセンのレポートによれば、ストリーミングはアメリカにおけるテレビ視聴の大きな部分を占め始めたが、まだ伝統的なリアルタイム視聴が主流だ。
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ニールセンは2016年暮に買収した デジタルTV視聴分析のGracenoteのデータを活用したストリーミング視聴についての詳しいレポートを発表した。オーディエンス分析担当のシニア・バイスプレジデント、Peter Katsingris氏によれば、「ストリーミング戦争の焦点」を分析したレポートだという。

レポートによれば、2019年第4四半期にアメリカの家庭の19%が高速インターネット接続を利用したストリーミングでテレビを視聴していたという。ストリーミング視聴時間の内訳はNetflixが31%、YouTubeが21%、Huluが12%、Amazon Prime Videoが8%だった。28%は他のサービスはが占めていた。

Gracenoteのデータを利用してニールセンは「アメリカの視聴者が利用できるストリーミング視聴サービスのデータをすべて収集できた」という。なるほどアメリカでは大量のコンテンツが続々とストリーミング・サービスに投入されている。ニールセンによれば2019年12月にストリーミングで視聴可能なコンテンツは64万6152件に上ったという。2018年同期比で10%の増加だった。 このうち9%はNetflixなどのサブスクリプション契約のみで視聴できる番組だった。
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ニールセンのレポートはオーディオ・ストリーミングについても分析しており、2018年第3四半期のアメリカの成人ユーザーの64%がスマートフォンでストリーミングを利用した。2017年の同期は45%だった。一方、スマートフォンでのラジオの利用率は92%、衛星放送は13%で安定していた。

昨年秋、ニールセンがアメリカの成人ユーザー、1000人を対象に実施した調査では 回答者の91%(回答者の96%は18歳から34歳の間だった)がなんらかの有料ストリーミング・サービスに加入していた。うち30%(回答者の18歳から34歳の層の47%)は3種類以上のサービスに加入していた。

オーディオ・サービスに関しては回答者の63%が一つ以上のサブスクリプション・サービスに加入していた。 53%は2種類のサービスに加入していた。

これらの結果を総合すると、アメリカの一般ユーザーはテレビ、ラジオ及びストリーミング可能なコンピュータやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを毎日平均して12時間利用している。

ニールセンは「ストリーミング可能なメディアの利用時間は2018年第3四半期から1時間24分も増加している。これは主としてスマートフォンの利用の拡大によるものだ。コンシューマのストリーミングへの露出の増加のトレンドは企業のマーケティングにとって重要な意味を持つ。マーケターもコンテンツ・クリエーターもコンシューマが目覚めている時間のすべてにメッセージを届けるべく全力を挙げている」と結論している。

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