阪神電気鉄道が本線の普通用車両5000系と、武庫川線の車両(7861・7961形、7890・7990形)の全車両置換えを公表した。
5000系は短い駅間を最速で走るために、日本の鉄道車両としては屈指の高加速・高減速性能を持つ「ジェットカー」のひとつ。
このうち抵抗制御車の5001形は1977〜1981年に計32両が製造された。
車齢は39〜43年。全車両が現役だが、2023年度までに新型車両5700系へ置換えとなる。

武庫川線の7861・7961形は、本線の特急・急行用だった7801・7901形の2両編成版といえる車両で、1966〜1968年に16両製造された。
本線ではおもに増結用として活躍し、その後は武庫川線に転じた。
3編成6両が現存し、車齢は52〜54年。7890・7990形は、本線の特急・急行用として1974〜1977年に製造された
3801・3901形のうち、先頭車2両を組み合わせて改造を行い、1986年に武庫川線へ投入された。
車齢は43〜46年。武庫川線では5500系を改造した上で投入し、既存の計8両をすべて置き換える。

車齢40年程度まで使われる電車は少なくない。
車齢50年以上の電車が現役で活躍している事例もある。
阪神電気鉄道の5000系や武庫川線の車両が引退する理由は老朽化もあるだろうけれど、「移動等円滑化が十分になされていない」ことが決定打となった。
今回の情報源は、阪神電鉄公式サイト上に公開された「移動等円滑化取組計画書」。
意外なところに鉄道ファン必見の情報があった。

「移動等円滑化」とは、バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方にもとづき、公共交通機関や公共の建物において、誰もが移動しやすい環境を整える取組みを指す。
バリアフリーは高齢者や体の不自由な人にとって困難な状態を取り除こうとする考え方であり、ユニバーサルデザインはもっと対象を広くして、年齢・性別・言語・国籍・文化が違っても利用できるしくみのことである。
駅構内でいえば、階段の横に設置された車いす用スロープはバリアフリーに対応した設備だけど、階段の他にもエスカレーターやエレベーターを用意すれば、大きな荷物を持った人やベビーカーを利用する人も使いやすくなる。これがユニバーサルデザインの考え方だ。

鉄道車両に関して言えば、「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準を定める省令」の第30条〜第33条に準じた仕様にすることが「移動等円滑化」となる。
たとえば、「車両とプラットホームの隙間はできる限り小さく(第31条の1)」「乗降口は1列車につき1カ所以上は幅80cm以上にする(第31条の3)」
「車椅子スペースを1列車に付き1カ所以上設置する(第32条)」「客室には、次に停車する鉄道駅の駅名その他の当該鉄道車両の運行に関する情報を文字等により表示するための設備及び
音声により提供するための設備を備えなければならない(第32条の5)」「常時連結している部分は転落防止設備を設置する。 ただし停車駅すべてにホーム柵がある場合は例外(第33条)」といった内容が示されている。

2/13(木) 12:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200213-00000007-mynavin-life

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