NYダウ反落で始まる 新型肺炎収束の兆し見えず警戒感
2020年2月21日 0:05
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55902120R20C20A2000000/

【NQNニューヨーク=横内理恵】20日の米株式相場は反落して始まった。午前9時45分現在、ダウ工業株30種平均は前日比47ドル11セント安の2万9300ドル92セントで推移している。中国の新型肺炎に収束の兆しがみられない中、前日までの株高基調を受けて高値警戒感が強まった。半面、米景気や企業業績の相対的な強さに着目した買いも入り、相場の下値を支えている。


ニューヨーク証券取引所
中国の湖北省政府は20日に企業の休業を3月10日まで延長することを決めた。中国での感染拡大ペースは鈍化しているとみられる一方、日本などで感染が拡大し、韓国では初めて死者が出た。市場では中国政府の景気支援策などで新型肺炎の経済的な悪影響が限られるとの楽観がやや後退した。

ゴールドマン・サックスは19日付リポートで「現在の株価水準は新型肺炎の企業業績への影響を過小評価しており、短期的に相場調整のリスクが高まっている」などと指摘した。前日まで上げが目立っていた電気自動車のテスラや画像処理半導体のエヌビディアなど大型ハイテク株の一角が下げ、相場の重荷となっている。

米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が20日の米CNBCのインタビューで、米景気が底堅いとの認識を示し、金融市場が年内の利下げの可能性を織り込んでいることに懐疑的な見方を示した。利下げ期待が後退したことが売りを誘ったとの見方もあった。