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9年前、ニュージーランド南部で起きた地震で、語学学校が入ったビルなどが倒壊し、日本人28人を含む185人が死亡したことについて、被災地クライストチャーチの市長は、ビルの構造などに欠陥があり、建設を認めた市にも道義的責任があったなどとして正式に謝罪しました。




2011年2月22日にニュージーランド南部で起きたマグニチュード6.3の地震では、クライストチャーチ中心部の語学学校が入ったビルが倒壊するなどして日本人28人を含む185人が死亡しました。

倒壊したビルをめぐっては、王立委員会の報告書で、建築基準を満たしていなかったにもかかわらず、市が建築を許可したことが倒壊につながったなどと指摘されています。

こうしたことを受けて、クライストチャーチのダルジール市長は23日、現地で遺族や負傷した人たちと非公開で面会し、市の道義的責任を認めて正式に謝罪しました。

地元メディアによりますと、謝罪を好意的に受け止める遺族もいた一方で、謝罪だけでなく、ビルの建設に関わった人の刑事責任も追及すべきだという不満の声も聞かれたということです。

出席した遺族の男性は「心からの謝罪だと感じました。欠陥があったことや建設を止められなかったことを認め、謝罪に踏み出したことが重要だと思います」と話していました。

また、母親を亡くしたという女性は「まだ終わりではありません。ビルが建てられていなかったら愛する人たちを失うことはありませんでした」と話していました。

ダルジール市長は、25日に東京で日本人の遺族と面会して謝罪することにしています。

2020年2月23日 17時45分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200223/k10012298171000.html