枝野氏は東日本大震災での自身の経験があってこそ、現在の安倍政権の対応の不足が分かる。
厳しい追及の中にもそれなりに節度のある質疑を展開しながら、一方で野党側に
一定の政権担当能力があることをアピールする、なかなかよく考えられた質疑だと思えた。
菅氏が答弁で「(震災の時は)大変な思いのなかで陣頭指揮にあたられたと思う」と語るなど、
この政権には珍しく、枝野氏に一定の敬意を払うような場面もみられた。

問題はやはり首相である。答弁はおおむねこんな感じだ。

「感染症対策については連日関係省庁から報告を受けるとともに、私を本部長とする対策本部において、
関係閣僚に対して必要な指示を行うなど、政府一丸となって全力で取り組んでいる。
対策本部の際は報道陣の目の前で、私から直接指示を出している。
官房長官も毎日2回会見を行い、われわれがどういう対策をしているのか説明している」

「私は一生懸命やっている!」ということは繰り返されるが、肝心の「何をやっているか」が全くない。
枝野氏は「首相が記者会見で直接国民に訴えること」を求めていたが、
正直、こういう言葉のまま記者会見に臨んでも、国民はかえって不安になるだけだろう。
おそらくそれが分かっているから、首相は対策本部の短い冒頭あいさつ、
いわゆる「頭撮り」を報道陣に見せて「やってる感」を演出しているのだ。
 
政府の感染拡大対策に最も欠けているもの 当事者意識共有できぬ安倍政権 衆院予算委集中審議
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200227-00000002-yonnana-soci&;p=1