https://www.bbc.com/japanese/51716473


ヴァチカン、第2次世界大戦中の教皇の関連文書を公開 ホロコースト黙認か
4時間前
2020/03/03


キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)は2日、何十年も非公開にしていた第2次世界大戦中の教皇ピウス12世時代の資料公開を、研究者に対して開始した。ピウス12世は、ナチス・ドイツによるホロコースト(大虐殺)に目を閉ざしていたと批判されている。

ピウス12世は1939〜1958年に在位していた。ナチス・ドイツがユダヤ教徒を殺害していたことを知りながら対策を講じなかったとして、「ヒトラーの教皇」と呼ばれることもある。

しかしヴァチカンによると、ピウス12世は実際にはユダヤ教徒を救うために密かに動いていたのだという。
今回公開された文書について、多くの研究者が調査に取り組む見通し。


現職のフランシスコ教皇は1年前、カトリック教会の中で特に批判されることの多いピウス12世について、資料公開を決定した。

教皇はこの時、教皇庁を研究する専門家たちに、「教会は歴史を恐れていない」と述べた。

フランシスコ教皇は、ピウス12世の時代は「きわめて困難な出来事が続いた時代で、人として、そして教会として何が賢明なのか、実に苦しい決断が迫られていた。その決断を、消極的で寡黙だと受け止めた人もいたかもしれない」と話していた。

ヴァチカンの公式ウェブサイトによると、公開される文書は膨大だが、その多くはデジタル化されている。
教皇庁文書庫の責任者、セルジオ・パガーノ司教は、第2次世界大戦中の文書は数百万ページに及び、テーマごとに121項目に分類されていると説明した。

ロイター通信によると、文書庫の閲覧室は向こう1年にわたり予約でいっぱいだという。米ワシントンのホロコースト記念博物館の研究者や、独ミュンスター大学の歴史家フーベルト・ヴォルフ教授、ピウス12世を専門とする研究家などがこの文書の調査を行うという。

ローマで取材するBBCのマーク・ロウエン記者によると、この問題をめぐる議論が、ピウス12世の列聖が遅れている原因と考えられている。
ヴォルフ教授もAFP通信の取材で、「ピウス12世がユダヤ教徒殺害を知っていたことは疑いようがない」と述べている。
(リンク先に続きあり)


https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/11344/production/_105886407_052735272-1.jpg