最近目につくのが、婚活市場で相手を思いやれない人だ。自己中心的な考えのもと、自分本位の婚活をしているので、選ばれるはずもない。また、そういう相手に当たってしまった人は、振り回されることになる。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、毎回1人の婚活者に焦点を当てて、苦悩や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく連載。今回は、「相手を思いやることの大切さ」について、一緒に考えたい。

■「おかしな女性」にばかり当たってしまう

地方公務員として働く野村武雄(仮名、41歳)は、婚活アプリと相談所での活動を並行して行い、3年婚活をしている。身長は170センチ、体型も標準。
特別ハンサムではないが、名の知れた大学を卒業しているし、公務員という安定した職業についているので、アプリでも相談所でもマッチング率は高い。しかし、なかなか結婚できる相手に巡り会うことができない。

「どういうわけかおかしな女性たちばかりに当たってしまうんですよ。僕は、そういう人を引き寄せてしまうのでしょうか」

先日の面談で婚活の進捗状況を聞くと、武雄は大きなため息をついた。

「この間、アプリでマッチングした女性は、約束の場所に現れませんでした。まあ、アプリではたまにあるんですけどね。相談所でのお見合いのようにルールがないしすべてが自己管理なので、いい加減な人も多い。
でも、料金が安いから、出会いのチャンスを広げるためにもやっておいたほうがいいなとは思っているんです」

以前は、時間になって現れなくても、1時間は待っていたそうだ。だが今は、15分待って来なかったらLINEをし、それが既読にならなかったら、すぐに帰るようにしているという。

相談所の場合は、仲人やカウンセラーが後ろにいるので、マッチングした相手が連絡もなしに来ないということはない。

「ただ、なんだろう。人を待たせたり、約束を平気でキャンセルしたりすることを何とも思わない女性が、相談所にもいますよ。そう、今交際中の瀬川さん(仮名、35歳)とは、交際終了にしてください」

彼女にも先日、待ちぼうけを食わされたようだ。渋谷のマークシティで19時に待ち合わせをしていたが、現れない。スマホで時間を確認しようとしたとき、LINEが入ってきた。

「仕事が終わらないので30分くらい遅れます」

「それを読んだときに、“まだ職場なのか?  いや、30分後にここに来られるのだから、この近くで仕事をしているのかもしれない”と思ったんです。彼女、営業さんだから。
ただ来る気持ちはあるようなので、『近くのカフェに移動します』って返したんですね。そうしたら30分後に、『すいません、やっぱり仕事が終わりません。
今日は行けないので、キャンセルさせてください』とLINEが来た。お腹も空いていたし、ムッとしましたよ」

なぜ、もっと早くにキャンセルの決断ができなかったのか。

「こちらが役所を出る前に、『今日は仕事が終わりそうにもないので、約束はキャンセルさせてください』と連絡を入れてくれたら、僕は仕事を終えて、そのまま帰宅できたのに」

■相手を待たせることを何とも思わない人が多い

約束のキャンセルは、相手の移動時間を考慮して、その前に入れることが相手への思いやりだろう。約束しているのに、連絡もなく現れない。相手を待たせることを何とも思わない人が多いのは、私も感じている。

入会面談の約束をしていたのに、現れない人がいる。もちろん電話しても出ないし、キャンセルの連絡もない。しかし、そういう人はそもそも相談所での婚活には不向きなので、こちらもいっさい後追いはしない。

また先日は、年収1000万円のバリキャリ女性が、お見合い30分前になって、「15時のお見合い、仕事が終わらず30分遅れます」と連絡を入れてきた。お見合いに遅刻は厳禁。
しかも30分前では、もうお相手はお見合い場所に向かっている。電車の遅延はやむをえないが、仕事が終わるか終わらないかは、少なくとも1時間前にはわかっていることだろう。

見合い結果は、当然のことながら相手から“お断り”が来た。その結果と、「遅刻するならもっと早めに連絡することがマナーですよ」と伝えたところ、
「相談所には、私が理想としている男性はいません」と言って、退会していった。もちろんこちらも、引き止めることはしなかったが。
“相手を待たせて申し訳ない”という気持ちが持てない人は、パートナーと一緒に暮らす結婚は難しい。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200305-00333239-toyo-soci
3/5(木) 7:50配信