新型コロナウイルス対策で、厚生労働省は8日までに、日本人を含む中国や韓国からの入国者に2週間の待機を要請する政府方針について、第三国を経由して入国する場合も対象とすると明らかにした。6日に政府が入国制限を閣議決定した後、同省は「対象外」としていたが、方針を転換した。

同省は6日夜にホームページに掲載した「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」の「7日時点版」で方針変更を明らかにした。

Q&Aでは2週間の待機を要請する対象範囲について「別の国を経由してきた航空機・船舶に搭乗してきた方は対象になりますか」という問いに対し、「対象となります。中国・韓国を出発地として来日した方は、検疫所でその旨を申し出てください」と変更した。入国制限は日本時間9日午前0時以降に中国、韓国を出発し、日本に到着する航空機の乗客乗員が対象で日本人も含まれる。

6日の閣議決定は両国を出発する航空機の乗客全員を対象としているため、両国内の空港で航空機を乗り継いだトランジット客も待機要請の対象となる。一方で、両国から第三国経由での入国を除外することは「抜け道」を残す形となるとの指摘も出ていた。

6日夜の時点では第三国経由については「対象外」としたうえで、「今後、世界の患者発生状況を踏まえ、必要があれば対象とする可能性がある」としていた。

2週間の待機を要請する人には待機期間中に体調チェックを呼びかける健康カードを検疫所で配り、滞在先を自己申告してもらう。自宅や滞在するホテルなどへの移動には公共交通機関の利用を控えてもらう。タクシーも認めておらず、自家用車やレンタカーの利用を想定している。

ホテル滞在費や移動費は原則自己負担で、厚労省の担当者は「負担が生じることを周知し、渡航の是非を検討してほしい」と呼びかけている。

2020/3/8 9:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56541420Y0A300C2CZ8000/