2008年から「平成の大修復」を行っている京都市東山区の清水寺で、本堂(国宝)の檜皮葺(ひわだぶ)き屋根が約50年ぶりに葺き替えられた。工事中に本堂を覆っていた素屋根が取り外され、「照り起(むく)り」と呼ばれる優美な曲線美が再びお目見えした。徳川家光による再建以来初めて破風の飾り金具も修理。落ち着いた檜皮の屋根に金色が映えている。

本堂の修復は13年に始まったが、屋根を葺く檜皮は工事開始前から国内各地で探し始め、通常より20センチほど長い檜皮約170万枚を10年かけて確保した。

「照り起り」は屋根が緩やかな弧を描く構造で、寺院の屋根では珍しい。本堂から張り出した部分の屋根は反り返っており、異なる形の屋根が組み合わさる複雑な構造も、建物をより魅力的に見せているという。

来年度は舞台板の張り替えを行う。清水寺では「張り替えが始まると再度足場が組まれるので、うちにすっきりとした眺めを楽しんで」としている。全ての工事が完了するのは21年3月の予定。

https://rd.kyodo-d.info/ud/KD:kyoto:20200307164845?c=39546741839462401
2020/3/8 12:00