「日本人は新型コロナウイルスに弱い」――。ネット上にこんな情報が飛び交っている。出どころは「In Deep」というサイトに掲出された「新型コロナウイルスに感染するリスクが最も高いのは、日本人と中国人」という内容の記事だ。査読前の論文を投稿するサイト「BioRxiv」に掲出された論文をもとにしている。

 ハーバード大学院卒で医学博士の左門新氏によると、この論文は中国科学財団(National Science Foundation of China)などの支援を受けたウェイ・ツオ氏ら6人の研究者が科学雑誌に送ったもの。人間の肺にはタイプTとタイプUの2種類の肺胞細胞があり、タイプUを「U型肺胞細胞」(AT2)と呼ぶ。少しややこしいが、このAT2が発現させるのが「ACE2」というタンパク質のレセプター(受容体)。新型コロナはこのACE2にくっついて体内に入る。

■発端は中国人研究者

 ウェイ氏らはアフリカ系米国人5人と白人2人、それにアジア人1人を調べた。その結果、55歳のアジア人の体に受容体であるACE2が特に多いことが分かったという。つまり、アジア人が一番コロナを取り込みやすいということになった。

 実はウェイ氏らの論文の内容はここまで。これが「日本人と中国人のリスクが最も高い」となったのは「In Deep」が別のデータを使って補足説明したからだ。

 左門新氏が言う。

「人間の体にはACE2の割合に関連する6種類の遺伝子があります。この遺伝子の比率が高いほど、体内におけるACE2の割合も高まる。つまり新型コロナウイルスが入りやすいことになります。『In Deep』が根拠としたデータでは東京にいる日本人と中国南部の中国人はこれらの遺伝子が平均で92%で、最も数値が高い。そのため『リスクが最も高い』という話になったのです。逆に遺伝子の比率が最も低いのは51%のトスカーナ州のイタリア人となっています」

 人種によって遺伝子の割合が違うのは不思議だが、左門氏によると民族ごとに血液型の分布に違いがあるように病気に関係する遺伝子の型にも違いがあるそうだ。日本人が他の民族より糖尿病になりやすいのも遺伝子の違いが関与しているという。同じように遺伝子の割合にも違いがあるそうだ。

 やはり、日本人は新型コロナに感染しやすいのか。

「ウェイ氏らの論文が科学雑誌に送られたのは1月末のようです。この種の論文は研究者2人の査読と別の専門研究者の追試を待たなければなりませんが、査読が済んで雑誌に掲載されるまでに平均で半年はかかる。今は新型コロナウイルスへの不安が高まっているので早めに結論が出るかもしれませんが、それでも3カ月はかかるでしょう。ただ、日本人の感染リスクが高いという説は傾聴に値します」(左門新氏)

 果たして日本人はリスクが高いのか。結論が出るまで心配は続く。

3/10(火) 10:34
日刊ゲンダイDIGITAL
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★1が立った時間 2020/03/10(火) 11:58:23.04
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