東京電力福島第一原発の事故で避難を強いられた福島県双葉町の小学校。いまも遠く離れたいわき市の仮校舎で授業が続けられている。子どもたちに町の記憶を伝えながら。

双葉町から南に約60キロ。双葉南小の校長を務める泉田淳さん(60)は11日朝、静かな教室を見て回った。新型コロナウイルスの影響で4日から休校。「本当ならきょうは震災当時の話をするつもりだった」。少し寂しそうに話した。

泉田さんは仮校舎の前に毎朝、立ち続けてきた。「おはよう! 今日も登校してくれてありがとう」。一人ひとりに笑顔で声をかけ、ハイタッチを交わす。

同じ校舎になった双葉北小と合わせ、児童は33人。震災前は計約350人いた。原発事故で町民は各地に離散したが、二つの小学校は震災から3年後の2014年4月、最も多くの町民が避難したいわき市で再開した。子どもたちは入学前にすでに双葉町から避難していた世代だが、いわき市の学校ではなく、この仮校舎に通う。

「子どもたちが当たり前のように登校してきてくれる。それだけで感謝なんです」。泉田さんは言う。9年前の11年4月、双葉町の小学校に赴任予定だった。しかし、3月の震災で町民の多くは埼玉県加須市に避難した。子どもたちも約100人が加須市内の小学校に転校する形で授業を受けた。避難生活を強いられた泉田さんも心のケアと授業のサポートのため、1年間赴任した。

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