7月に能登町松波で行われる松波人形キリコ祭りに向け、同地区の中組町が30年ぶりとなるキリコの修繕作業を進めている。台風で傷んだ四本柱を取り換える大掛かりな修繕で、祭り本番までに仕上げ、真新しい姿で町内を巡行する。



 キリコは1990年に造られ、大規模な修繕は初めて。高さ約6・5メートルで、長さ5・5メートルの四本柱が一昨年の祭りの際、台風による強風でねじれ、数カ所にひびが入った。昨年の祭りでは応急措置を施したが、バランスを崩す恐れがあるため柱を交換することにした。



 作業は中組町の加原武志さん(57)が営む松波の加原工務店で2月中旬に始まった。カナアテと呼ばれる強度のある能登ヒバを使い、かんなで丁寧に削って丸くしながら、くぎを使わずに組み立てた。



 元大工で加原さんの父秀明さん(88)が監修し、大工職人の濱野将秀さん(43)を中心に取り組んだ。加原さんの長男慎太郎さん(29)も手伝った。今後、珠洲市の塗師屋で漆や金(きん)箔(ぱく)を施し、完成する。



 松波人形キリコ祭りは7月の第4土曜に行われ、歴史の一場面を描写した人形を載せたキリコ9基が練り歩く。加原さんは「末永く使い、祭りを盛り上げるキリコに仕上げたい」と話した。

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2020/03/12 02:20
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