香芝「屯鶴峯」で保全調査始まる

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20200312/2050003995.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

白い岩肌が広がった珍しい景観で知られる香芝市の「屯鶴峯(どんづるぼう)」で、
樹木が生い茂るなどして岩肌が見えづらくなり、市は、保全策を検討するための調査を始めました。

「屯鶴峯」は白い岩肌が山を覆うように広がった珍しい景観が特徴で、県の天然記念物に指定されています。
しかし、ほとんどが民有地で行政による手入れが行き届かず、樹木が生い茂ったり
岩肌が削られたりして、景観が徐々に損なわれていました。
このため地元の香芝市は、自然を保護しながら景観をどう保全するか、対策を検討するための調査を始めました。

12日は、市から委託された調査員2人が樹木などの種類を確認するため、現地の写真を撮影しながら歩いていました。
屯鶴峯ではおととし、民間から寄付された6ヘクタール余りの土地を含め、
7.4ヘクタールを市が所有していて、市は、この土地を中心に対策を検討する計画です。

香芝市商工振興課の渡邊郷主幹は、「香芝市の貴重な財産なので必要な調査をして
未来に景観を残したい」と話していました。

【写真で比較】
これは、数十年前に撮影された屯鶴峯です。
白い岩肌が広がっています。
ところが、去年、ほぼ同じ場所で香芝市が撮影した写真では、木々が生い茂って
白い岩肌が見える範囲が狭まっています。
大阪・堺市からハイキングで訪れていた78歳の男性は、「30年前くらいに来たときは、
一面、真っ白だったと思うが、きょう来てみたら木に覆われてしまってさみしく感じた」と話していました。

【屯鶴峯とは】
香芝市にある屯鶴峯は白い岩肌が山を覆うように広がった珍しい景観が特徴で、県の天然記念物に指定されています。
市によりますと、千数百万年前、近くの二上山が噴火し、火砕流や火山灰などが降り積もったあと、
長い年月をかけて浸食され、今の姿になりました。

橿原考古学研究所の奥田尚特別指導研究員によりますと、屯鶴峯の岩は、
色の美しさから飛鳥時代の古墳の石棺などに利用されたということです。

03/12 16:18