(略)

アメリカは、新型コロナウイルスが来る前からすでに、重い病に感染している。それは新型コロナウイルスよりはるかに重く、感染力も強い病だ。
その病のせいで、アメリカは「新型コロナ」ショックのように大規模な公衆衛生上の危機に対応しきれない可能性がある。最先端だが高額な医療費や、数千万人の無保険者をかかえる医療保険制度、医療従事者の偏在だけでも手に余るが、その上この国は今、このウイルス危機が現実で、危険で、政争より重要だと認めることさえ万死に値する、と言われかねない心理的社会的な信念に罹患している。そのせいで、国民の大半が科学やファクト(事実)や報道を信じなくなっているのだ。
ガスマスクを着けて議場に表れ、悪ふざけが過ぎると批判を浴びたマット・ゲーツ下院議員(共和党)(その後彼は感染者と濃厚接触があったことが判明し、自宅で自主隔離を行うはめになった)もひどいが、ドナルド・トランプ大統領はもっとひどい。21人の感染者が出てカリフォルニアの沖合で「隔離」されていたクルーズ船「グランド・プリンセス」はそのまま沖合にいて欲しいと言った。戻ってきて「アメリカの感染者数」が増えるのは困る、と言ったのだ。
トランプ政権は以前から公衆衛生を軽視しており、国家安全保障会議(NSC)のパンデミック専門家のクビを切り、米疾病管理予防センター(CDC)の予算を削減した。またウイルスのリスクを軽く見せかける組織的な取り組みの一環として、検査キットの数と入手可能性について「たくさんある」と、完全なウソを全米に発表した。
(略)
https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2020/03/post-92708.php?page=1


米国でコロナウイルスの検査に行ったら35万円。請求額に息も絶え絶え
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200228-00000018-giz-sci