古代から朝廷に旬の食材を献上していた「御食国(みけつくに)」と知られ、いまも豊かな自然や食材、温泉などを求めて多くの観光客が訪れる兵庫県の淡路島。海産物では冬はフグ、夏はハモで有名だが、春の名物として急浮上しているのが島ブランドの「淡路島サクラマス」だ。美しい桜色の身を持ち、脂ののった上品な味わいが特徴。南あわじ市の福良湾で養殖が始まったのはわずか数年前だが、今では全島で料理がふるまわれるようになり、新たな食ブランド定着に期待が集まっている。(勝田康三)

福良湾だからできた

 サクラマスはサケ科の魚。川ではヤマメと呼ばれる。南あわじ市食の拠点推進課によると、もともと淡路島には存在しない。日本では主に東北や北陸地方などの日本海側に分布。低水温を好むという。

 そんな魚がなぜ温暖な淡路島で養殖されているのか。福良湾で養殖に取り組んでいる福良漁協組合長の前田若男さん(50)は「福良湾は鳴門海峡の潮流の影響で、水温が低くなるため、養殖に適した環境だから」と説明する。

 前田さんが淡路島で初めてサクラマスの養殖を始めたのは平成27年度。最初は湾内のいけすで6千匹を育て始めたが、出荷できたのは半分程度だった。いけすの中で大きい魚が餌をとるため「小さめの魚が餌食い競争で負けて死んでしまった」(前田さん)という。翌年度から大きさを分けて育てたところ、出荷率は95%にまで高まった。安定供給できるようになり、島の新ブランド「淡路島サクラマス」が誕生した。

いけすのサクラマスの様子をみる前田若男さん=兵庫県南あわじ市
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